[レポート] LINE連携で実現!データドリブンマーケティング: BEACON Japan 2020 #BeaconJapan
Looker社によるロードマップ、顧客事例、パートナー企業によるセッションが堪能出来るデジタルイベント『BEACON Japan 2020』が2020年09月03日から2020年09月24日までの毎週木曜日、計4日間に渡り開催されました。
当エントリでは、その中から最終日2020年09月24日に発表された「LINE連携で実現!データドリブンマーケティング」のレポートをお届けします。
セッション概要
公式ページで紹介されているセッションの概要情報は以下の通りです。
登壇者:
・丹羽 ひかる 氏, マーケティングIT部 コンサルタント, 株式会社電通国際情報サービス
・山田 志織 氏, ITソリューション部 兼 マーケティングIT部 コンサルタント, 株式会社電通国際情報サービス
発表内容:
ISIDでは、従来のBIツールとは一線を画したデータプラットフォームである「Looker」を核としたインテグレーションを通じてお客様企業のデータモダナイゼーションを支援しています。
本セッションでは、LINEおよびLINE WORKSとLookerの連携を具体的な実例として織り交ぜつつ、データドリブンマーケティングの実現等お客様企業が得られるベネフィットについてお話します。
セッションレポート
ここからは、当日に公開されたセッションの内容についてレポートします。
イベントのセッション動画については下記リンクにてアクセス可能です。
会社概要:株式会社電通国際情報サービス(略称:ISID)
株式会社電通(現 株式会社電通グループ)と米国General Electric Company(GE)の合弁会社として1975年に設立。電通グループのSIer。
アジェンダ
- データドリブンマーケティング戦略を支えるITインフラ
- LINE×Lookerで始めるデータドリブンマーケティング
- データプラットフォームとしてのLooker
- LINE×Lookerで始めるデータドリブンマーケティング
データドリブンマーケティング戦略を支えるITインフラ
データドリブンマーケティングとは?
データドリブンマーケティング実践への障壁
日本でもビッグデータが重要視されているが、現状は、企業のほんとんどがデータを売上やパフォーマンスの向上に活用できていない状況にあります。
その原因として以下の5つの障壁が挙げられています。
障壁その1:何から手を付ければよいのかわからない
障壁その2:因果関係が不明
障壁その3:データ不足
障壁その4:経営資源やツールが不足
障壁その5:組織や人の問題
上記、障壁内の“因果関係が不明”や“データ不足”については、“何から手を付ければよいのかわからない”や“経営資源やツールが不足”という課題を乗り越え、データが整理されることで解決することできる。
そのため、今回は、“何から手を付ければよいのかわからない”や“経営資源やツールが不足”という課題について言及していきます。
障壁1:何から手をつければよいのかわからない
対応策:簡単なデータから初めてクイックウィンを作る
障壁4:経営資源やツールが不足
対応策:データドリブンマーケティングのインフラを構築する
データドリブンマーケティング戦略を支える最終的なITインフラ概要図
“大きく考える”場合のITインフラ構成にサービスやシステムを当てはめたイメージ例
データドリブンマーケティングとBIの領域を網羅するツールとしてLookerが最適。
LookerはBIツール、及びデータプラットフォームとしてレポート作成や分析ができるだけでなく、Actionsを用いることでその結果をシームレスに連携することが可能。
また媒体として、データドリブンマーケティングにつながるメディアとしてリーチ力があるLINE、ソーシャルログインに対応したりカスタムオーディエンスが作成できるペイドメディア、ファーストパーティーの情報が活用されているオウンドメディアを用いることで、顧客に対して最適なアプローチができ、かつ顧客とのやり取りもトラッキングしてデータを収集することが可能となる。
オペレーショナルCRMとしては、LINE WORKS・Salesforceを用いることで営業追客や顧客情報の管理が可能。EDWやデータマイニングの領域にはAWSのサービスで網羅。
これらのサービス・システムを用いることでデータドリブンマーケティングが上手く回せる環境が実装できる。
実際に始める場合には小さく始めてクイックウィンを作るために、以下のような構成からまず始めて見ることが重要。
媒体はリーチ力が高く、効果の出やすいLINEから始めることでクイックウィンにつなげ、AWSのサービス・Lookerの活用範囲もできるだけ絞ることでスケーラビリティを担保しつつ、経営資源やツールの投資を抑えることが可能。
LINE×Lookerで始めるデータドリブンマーケティング
LINEの強み:他サービスと比較したリーチ力
月間アクティブユーザー数は国内で8400万人以上(日本の全人口の66%以上をカバー)を誇り、利用率が高いだけでなく、LINEのみでリーチ可能なユーザーが多く存在している。
小さく始めて早く成果を出すのにLINEは有効で、その中でも特にLINE公式アカウントとLINE広告がデータドリブンマーケティングに活用できるプロダクト。
LINE公式アカウントでは、企業や店舗がLINE上でアカウントを作成し、ユーザーに友だちとして登録してもらうことにより、企業や店舗と友だちとのOne to Oneコミュニケーションが可能となり、様々な情報を届けることができます。
LINE広告は、LINEユーザーである8400万人に広告を配信することが可能なプラットフォームであり多様な広告面やクリエイティブ、広告配信機能を活用し広告を配信することができます。
LINE公式アカウント、LINE広告で収集されたデータやオーディエンスは横断して利用することが可能であり、クロスターゲティングに活用することができます。クロスターゲティングを用いて横断した広告プロモーションやキャンペーンを実施することにより、より効果的で最適なコミュニケーションの実現が可能となります。
リーチ力が高く、データを活用して様々なプロダクトで配信できるLINEとLookerを組み合わせたデータドリブンマーケティングの事例としてコンバージョンデリターゲティングの事例を紹介。
コンバージョンデリターゲティング
LINE標準機能によるリターゲティング×Looker連携による機能拡張。
Lookerと統合することで「コンバージョン」したユーザーに対してリターゲティング/デリターゲティング配信が可能。
①コンバージョンを確認するために必要となるデータ(LINEからの過去の配信メッセージのトラッキングデータとファーストパーティーシステムの購買情報)をEDWに集約
②マーケターがLookerのレポートを用いてコンバージョンしたユーザーを抽出、LINEオーディエンス(ISIDが開発したアクション)を用いてオーディエンスを作成
③マーケターがLINEオフィシャルアカウントマネージャーから該当オーディエンスに対してメッセージを登録し、配信
④効果検証
③で配信された内容に関するコンバージョンはLookerで確認することができるため効果検証だけでなく、より詳細なデリターゲティングが可能。
データプラットフォームとしてのLooker
LookerはBIツールとしてだけでなく、データプラットフォームとして、豊富なAPIや独自のアクション機構による分析結果の外部システム連携機能も備えている。
豊富なAPI
Lookerの画面で行える以上の操作が可能なAPIが提供されており、例えば後ほどご説明させて頂くActionや、Lookと呼ばれるレポートをAPIを通じて実行することが可能。
Blocks
各種設定・定義をコードで表現する構造となっているため、再利用性に非常に優れていて、再利用可能な単位で公開もされているため、大規模な開発無しで機能拡張をすることも可能。
Actions
分析結果をシームレスに外部連携することが可能。
標準のActionを有効活用して、分析も可能。
Action Hub
独自のActionを開発することも可能。
(先ほど紹介したLINEオーディエンスもAction Hubを使用して開発)
Action Hub活用例:LINE WORKS(データドリブンな営業追客指示)
LINE WORKSとは
LINEと同じ感覚で使用できるビジネス版LINE。外部トーク連携機能により、LINEユーザーともコミュニケーションが可能。
・追客指示
LookerとLINE WORKSを連携することで、適切なオファーを適切な顧客に適切なタイミングで提供可能となり、セールスプロセスにおける追客をデータドリブンに改善することが可能
・ユーザーフロー
①お客様とのトークでのやり取り、ファーストパーティーデータをもとに追客すべきタイミング、顧客がBotから営業に通知される
②お客様氏名のリンクを押下するとテンプレートメッセージが埋まった状態で対象のお客様とのトーク画面に遷移
Lookerで抽出した追客対象を営業に即時配信するだけでなく、Lookerのスケジュール配信を用いて、追客対象を営業に定期的に配信することも可能となっています。
総括
コンバージョンデリターゲティングを事例としてISIDの考えるLINEとLookerを核としたデータドリブンマーケティングの実現について紹介しました。
実際にLINEとLookerを用いることでコンバージョンデリターゲティングだけでなく、ファーストパーティーのデータを用いたターゲティングでも効果を実証することができており、LINEとLookerを組み合わせることで将来的な拡張性を担保した上で、データドリブンマーケティングが可能であるといえる。
まとめ
LINEとLookerを組み合わせたマーケティングについて、ご紹介して頂きました。
データ分析が重要視される中、実際にお客様との会話の中で、どこから始めればよいのかわからないというご相談を頂くことがあるので、今回のように小さいところから初めてどんどん拡大していくとができるのはとても魅力的に感じました。
外部連携がシームレスにできるLooker、まだまだ学ぶことがたくさんあるな、と感じました。
今回ご紹介いただいたLINE WORKSは近日Blocksとして一般公開予定とのとでしたので、とても楽しみです。